[メイン] KP : 点呼

[メイン] 誰か :

[メイン] 八雲紫 :

[メイン] 東北きりたん(妙楽) :

[メイン] メリー : 1

[メイン] KP : では、これより喫茶パファディ・エテメルを開店するわよ

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「まずいですね…東方を知らないのが私くらいしかいませんよ」

[メイン] 八雲紫 : わかったわ

[メイン] ナレーション : 貴女達は偶然同じ喫茶店に入店しました

[メイン] ナレーション : そして不思議と今、同じ机に並んでいます

[メイン] 誰か : 不思議ね

[メイン] メリー : 私メリーさん
今あなたの横にいるの

[メイン] 八雲紫 : あら、同伴ね

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「おっと…通ぶれそうな喫茶店に入りましたが同客が3人も」

[メイン] 誰か : 「メリーさん…奇遇ね。私の友だちにそんなあだ名の子がいるわ」

[メイン] 八雲紫 : ・・・

[メイン] ナレーション : そんなことを話していると、店員がメニュー片手に歩いてきた

[メイン] ピエネ : 「いらっしゃいませ〜!
お茶はダージリン、アールグレイ、アッサム、セイロンキャンディが御座います」

[メイン] メリーさん : 私メリーさん
知らない言葉をわっと浴びせてくるのはやめてほしいの

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「……おや、私より年下の子でしょうか
それなのに働いている…全く、世の中は世知辛いですね」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「私も働きたくない物です…」

[メイン] ピエネ : 「お茶が飲み慣れないお方はセイロンキャンディがおすすめですよ?」

[メイン] 八雲紫 : アールグレイにするわ

[メイン] 誰か : 「素直な味で飲みやすいものね」

[メイン] メリーさん : 「私メリーさん
店員さんからのおすすめには素直に耳を貸すの」

[メイン] 誰か : 「私は…アールグレイをお願い」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「おや奇遇ですねそこの金髪の方
私も丁度アールグレイを飲もうと思っていたんですよ」

[メイン] ピエネ : 「ではアールグレイ三つとセイロン一つですね、承りました〜」

[メイン] ナレーション : そう言って小さな店員はとてとてとカウンターの後ろに消えていった

[メイン] ナレーション : 少し気怠げな曇り空、店内には微かな鼻歌だけな流れている…

[メイン] メリーさん : あいむしんかーとぅーとぅーとぅーとぅとぅー

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「この店はアールグレイがおいしいんですよ」

[メイン] 誰か : 「あら。実はダージリンが一番通なのよ?」ふふ、と少し笑う。もちろん冗談だ。

[メイン] メリーさん : 「常連の話にはついていけないの…」

[メイン] 八雲紫 : 私は初めて来たわ

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「えっいやもちろん知ってましたよ
試してたんですよやだなーははは」

[メイン] 八雲紫 : でもなんとなく・・・懐かしい感じがしてね

[メイン] メリーさん : 「情報戦始めるのやめてほしいの」

[メイン] 誰か : 「……」

[メイン] 誰か : だけど。どこか、懐かしい気がして。

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「………」

[メイン] 誰か : この喫茶店が、ではなく。

[メイン] ナレーション : そんな話をしていたら、芳ばしい香りが店内には満ちていく

[メイン] ナレーション : 紅茶が入ったようだ、先程の小さな足音が近づく

[メイン] 誰か : ”誰か”と一緒にこうして、近くにあるような喫茶店で、他愛のない話や■■■■■の話をする。…そんなことが、懐かしい気がして。

[メイン] ピエネ : 「アールグレイを三つ、セイロンを一つです」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : (あの二人意味深ですね…大人の女性というのはああいう風のを言うんでしょうか…)

[メイン] ナレーション : そうして各々の机に紅茶が並べられた

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : (憧れますね…)

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「あ、ありがとうごさいます」

[メイン] 誰か : ああ。思えば奇妙なことだらけだ。何かがずっと、足りない気がする。

[メイン] 誰か : メリー、なんてあだ名の友だちは…

[メイン] メリーさん : 「湯気のせいか湿気を感じるの」

[メイン] 誰か :    ・・・
私には居ないのに。

[メイン] ピエネ : 「ごゆっくり、お楽しみください」

[メイン] 誰か : 「…ありがとう。小さいのに大変ね」

[メイン] ナレーション : そうしてその店員は再びカウンターに消えていった

[メイン] 八雲紫 : そうね、ご苦労様

[メイン] メリーさん : グビッ!

[メイン] メリーさん : 1d100 おいしさ (1D100) > 25

[メイン] メリーさん : 「まっず」

[メイン] 誰か : 「あらら」

[メイン] ナレーション : 香りが強くなる、落ち着いた空気が場を満たし始めた

[メイン] 誰か : 「紅茶は慣れてないとなかなか大変よね」

[メイン] 八雲紫 : そうね

[メイン] メリーさん : 「向いてないことは分かったの」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「ふー、ふー」
熱いので息を吹きかけ冷まそうとする。

[メイン] 八雲紫 : そのうち慣れるわよ

[メイン] 誰か : 「最初はみんな、そんなものよ。ゆっくりと慣らしていったり…そうね、蜂蜜なんて入れるのはどうかしら」

[メイン] ナレーション : そんなことを話していると、店員が再び現れた

[メイン] メリーさん : 「そう言うなら入れてみるの」

[メイン] 誰か : 「砂糖でもいいけれど。私は最近蜂蜜に凝ってるのよね」

[メイン] ピエネ : 「紅茶のトッピングです、自由に使ってくださいね」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「ハチミツ…ですか」

[メイン] メリーさん : 「ハチミツほしいの」

[メイン] ナレーション : ミルク、レモン、ジャムに砂糖、そして蜂蜜が並べられた

[メイン] 誰か : 「甘い割に、そんなにしつこくないの」

[メイン] ピエネ : 「是非お楽しみくださいね」

[メイン] 八雲紫 : あらありがとう、折角だから私も使おうかしら

[メイン] メリーさん : 「詳しいの…気圧されるの…」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「ジャム…はちみつ…いえいえ、やはりストレートですよ!
ストレート以外は邪道ですね!」

[メイン] メリーさん : ダバッ

[メイン] メリーさん : グビッ!

[メイン] メリーさん : 1d100 おいしさ (1D100) > 78

[メイン] 誰か : 「…ふふ。そうね」

[メイン] メリーさん : 「うまい!」

[メイン] メリーさん : 「お姉さんの言った通りなの」

[メイン] 誰か : 「気に入ってもらえてよかったわ」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「………」
しばしの葛藤のうち、口に付けて飲む

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「………ごほっ、ごほっ!」

[メイン] 八雲紫 : ちょっと大丈夫?

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「……ジャムください……」

[メイン] 八雲紫 : はいどうぞ

[メイン] 誰か : 「…みんな好き嫌いあるものね、仕方ないわ」

[メイン] メリーさん : 「口先だけなの」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「ありがとうございます…」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「なんだとやりますかこの野郎!」

[メイン] メリーさん : 「やるか?」

[メイン] 誰か : 「懐かしいわね。メリーも最初は蜂蜜紅茶を慣れない、なんて言ってたわ。ジャム派だったみたい」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「……いややっぱりやめておきます
暴力はスマートじゃないですからね」

[メイン] メリーさん : 「吐いた唾は飲めると思わない方がいいの」

[メイン] 八雲紫 : そうね・・・

[メイン] 誰か : 「しかもジャムを紅茶に入れるんじゃなくて、濃い目の紅茶にジャムをセットにして、スプーンでジャムを取りながら紅茶を飲んでたのよ」

[メイン] メリーさん : 「売られた喧嘩には清算が必要なの」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「………」
ジャムを少し多く紅茶に入れる。

[メイン] 誰か : 「正当なロシアンティーの飲み方はこうなんだ、って。」

[メイン] 八雲紫 : ・・・///

[メイン] 誰か : 「………」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「あーそうやって暴力に訴える!
全く暴力以外に手段がない人はこれだから!」

[メイン] 誰か : 堰を切ったように溢れ出した言葉の後に、拭いきれない違和感と欠落感が滲み出す。

[メイン] メリーさん : 「じゃああなたは暴力以外の何かを持ってるの?」

[メイン] 誰か : 私は。

[メイン] 誰か : 誰の話をしているの?

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「ありませんよ」
どやっとした顔で答える

[メイン] 誰か : 「…ああもう、お店の中で喧嘩しないの」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「……すみません」

[メイン] 誰か : ふっと我に返る。目の前の元気な二人を仲裁しつつ、心にはべっとりと嫌な感じがこびりついていた。

[メイン] メリーさん : 「お姉さんほどの方が言うなら…」

[メイン] 八雲紫 : ・・・大丈夫?

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「…グビッ!
……案外飲めますね…」

[メイン] 誰か : 「……ええ、大丈夫よ。具合、悪そうに見えたかしら?」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「最初飲んだ時はこんな泥水二度と飲むかって感じでしたが…美味しいじゃないですか」

[メイン] 八雲紫 : 貴方・・・どこか不安そうにしてたから

[メイン] 八雲紫 : ・・・いや余計なおせっかいだったわね

[メイン] 誰か : (泥水……)若干困惑するが、目の前の少女の年齢を見てすぐに納得する。

[メイン] メリーさん : グッ…グッ…グビッ…!

[メイン] 誰か : (まだ子供だもの。背伸びして紅茶とかを飲みたいお年頃なのね)事実。私自身、覚えがなくはない。

[メイン] メリーさん : 「本物の泥水なら金がかからないから泥水飲んでればいいと思うの」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「ふふ…それに紅茶が飲めましたよ…
大人に一歩前進ですね」

[メイン] 誰か : 祖父が凝っていたコーヒー豆のブレンドをみて、大人ぶってブラックを頼んでしまったことは記憶に新しい。

[メイン] 八雲紫 : ・・・普通に水じゃダメなのかしらそれ?

[メイン] 誰か : ちょっと困った顔をした祖父は、私に押し切られるような形でブラックコーヒーを出してくれたっけ。

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「…その喧嘩…買ってもいいですがここは店内なので遠慮しておきますよ
ええ勿論戦えば圧勝ですが」

[メイン] メリーさん : 「さあ…泥の方が大人の苦みでも感じられるんじゃないの?」

[メイン] 誰か : ……もちろんろくに飲めなかった。

[メイン] 誰か : 「まあまあ…」

[メイン] 誰か : 「大人の苦味、なんて言うけれど。
少女の楽しさは期間限定なのよ」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「……?
…よくわかりませんが、今を楽しめということでしょうか?」

[メイン] 八雲紫 : そうねえ・・・私も昔に戻ってみたいわ

[メイン] 誰か : 「そういう事ね。
前に前に、と突き進もうとすると…今を忘れちゃうのよ、きっと。」

[メイン] 誰か : 「たまには、隣に居る誰かと立ち止まって。」

[メイン] 誰か : 「こうしてお茶を一杯飲んで、休憩しましょう?」

[メイン] メリーさん : 「何言ってるか知らないけど大人は紅茶飲んでるときまで難しいこと考えてて大変なの」

[メイン] 誰か : ……?

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「……深いですね…」
話に引き付けられたのだろうか、身を乗り出して聞いている。
きりたんは気づいていないが。

[メイン] 誰か : と言っても、私はどちらかと言えば若いならば若い内にどんどん突き進んでしまえ、という考え方の持ち主なのだが。これは誰かから聞いた受け売りだ。

[メイン] 誰か : 彼女たちはこういう話をするのが一番効き目があると思っただけだ。………誰から聞いたんだっけ?

[メイン] 誰か : ああ、駄目だ。
最近、ずっとこうだ。

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「ふんふん…人生訓、とでもいうのでしょうか」

[メイン] 誰か : 誰か居たはずなのだ。
忘れてはいけない誰かが居たはずなのだ。

[メイン] 八雲紫 : そんな難しいもんじゃないわ

[メイン] 八雲紫 : ただそうなるのよ

[メイン] 誰か : 心のどこかに深い欠落を負ったような。得体の知れぬ何かに責められる想いが、ずっと消えてくれない。

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「そうなんですか?」
紫の方にも向き、話を聞こうとする

[メイン] 誰か : 「……そう、ね。月日は残酷だもの。
流れ行くままに、みんな進むしかないのよね」

[メイン] 八雲紫 : そうね・・・

[メイン] 八雲紫 : 悲しそうな表情で虚空を見つめる

[メイン] 誰か : ……

[メイン] 誰か : 目の前の、名前も知らぬ彼女の横顔に。

[メイン] 誰か : どこか、懐かしいものを見てしまう。
そのきらきらとした、上等な絹のように滑らかな金髪に。なにか既視感めいたものを感じてしまう。

[メイン] 誰か : 「…あの」

[メイン] 誰か : 「私、どこかで…あなたと会ったこと、あるかしら?」

[メイン] 八雲紫 : ・・・・・・

[メイン] 八雲紫 : 「初対面ね」

[メイン] 誰か : 「そう…そう、よね。
…ごめんなさい。変なこと聞いちゃったわ」

[メイン] 誰か : 「なんだか…凄く、懐かしくて…
なんでかしら。初対面のはずなのに…」

[メイン] 八雲紫 : 私もよ・・・

[メイン] 八雲紫 : 不思議ね

[メイン] 誰か : 「…ええ。凄く、不思議ね」

[メイン] 誰か : SF小説なんかでは、デジャブは前世の記憶の欠片だ、だとか。平行世界の記憶なのだ、とか。そういう話が出てくる。

[メイン] 誰か : けれども、現実はそんなものではない。デジャブとは単なる脳の類似性認知メカニズムの働きにすぎない。ヒトに最初から刻まれている、機構の一つにすぎない。

[メイン] 誰か : だから全部はただの気のせいだ。

[メイン] 誰か : (……本当に?)

[メイン] 誰か : うるさい。

[メイン] 誰か : なくしてしまった、たった一つのなにかが。
ああ、なぜ。なぜこんなにも…

[メイン] 誰か : 私を、苛むというのか。

[メイン] 誰か : 「…」

[メイン] 誰か : 「なんだか、変な空気になっちゃったわね。
紅茶、おかわり頼みましょうか」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「……うか………どうかしたんですか?」

[メイン] 誰か : 「…あら?」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「急にぼーっとしてましたが
あ、私に見とれていましたか?」

[メイン] 誰か : 「…あれ。
もしかして、ぼーっとしてたのは私の方…?」

[メイン] ナレーション : 紅茶には、どうやら既に注がれているようだ

[メイン] 誰か : 「………疲れてるのかしら。
目の保養に、もう少し顔を見せてもらうわね」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「さっきの子が注いでいたんですよ
あの…大丈夫ですか?」

[メイン] 誰か : 「大丈夫。気にしないで」ふふ、と微笑し。ちょっと大人ぶった小さな子の顔をじっと見る。

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「ふふん!東北では2番目に綺麗と言われたこの東北きりたんの顔を見るといいですよ!」

[メイン] 誰か : 思えば髪色もちょっぴり似ているし、どこかノスタルジーを刺激される気もする。

[メイン] メリーさん : 「1番は誰なの…」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「一番はもちろんずん姉さまです!」

[メイン] 誰か : 目の前の彼女は。
あの日、過ぎ去ってしまった過去の中の…

[メイン] 誰か : 私に、どこか似ているのかも?

[メイン] メリーさん : 「誰か知らんけどあなたにも尊敬する人がいることに驚愕してるの」

[メイン] 誰か : (いやいや、流石に昔の私はここまで生意気じゃなかったわよね…?)

[メイン] 八雲紫 : それは気になるわね

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「……ですが貴女も、大概綺麗ですね」

[メイン] 誰か : 目の前の彼女…きりたんと言うらしい…の顔を、じーっと眺め。過去を回顧していく。

[メイン] 八雲紫 : あらあら

[メイン] 誰か : 「そうかしら?ふふ、ありがとう」

[メイン] 誰か : 「あなたも、とっても綺麗よ」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「ええ、ずん姉さまは尊敬できるお方ですとも!
弓は百発百中、勉学も素晴らしい、料理も上手い!」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「えあっ…そ、そうですかね…えへへ…」

[メイン] 誰か : ………ダメだ…考えれば考えるほど、昔の私も生意気だった気しかしない…

[メイン] 誰か : 頭の良さにかまけて同級生を見下していた過去を思い出してしまう…

[メイン] 誰か : ………ちょっぴり凹む。
この子もいずれ成長していくのだろう…

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「………………」
もじもじしたような様子で。

[メイン] 誰か : そうなったなら…どんな子に育ってゆくのだろう?

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「あの、相談があるのですが…」

[メイン] 誰か : 「10年後のあなたを、見てみたいわね」ぼそり、と。無意識に口から言葉が紡がれる。

[メイン] メリーさん : 「へ~」
どうせずん姉様とやらには多分に脳内補正かかってるだろうけど言わないでおこ

[メイン] 八雲紫 : どうかしたの?

[メイン] 誰か : 「…相談?いいわよ」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「…10年後、ですか…」
一瞬のうちに施行を巡らせ、彼女に都合のいい未来を想像し、にやける

[メイン] 誰か : 「人生の先輩として、どしどし聞いてほしいわ。
…とはいえ私も、まだ大学生とかそこらだけど…」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「ああ、そうではなく!」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「…今は平日の昼間じゃないですか。
私は小学生です。」

[メイン] 誰か : 「………」そういえば…そうだった…

[メイン] 誰か : 失念していた。雰囲気に呑まれた、と言えばいいのだろうか…?
この子、学校はどうしているのだろうか…

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「普通なら登校しているはずですが…この…喫茶店にいる。
…所謂引きこもりってヤツです」
あまり言いたくはないのか、ぼそりぼそりと言葉を紡ぐ。

[メイン] メリーさん : 「思ってたより深刻なの」

[メイン] 誰か : ……引きこもり。なるほど、複雑な環境があるのだろう…
もしかしたらこの喫茶店に来たというのも、本人には重大な選択だったのかもしれない。

[メイン] 誰か : 大人ぶって紅茶を飲む、という行動が。
違う色を帯びていく。

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「まあ…原因は些細な事です」

[メイン] 誰か : もしかしたら彼女は。どこか…”自分を変えたかった”のだろうか。
大人になればなにか変わるかもしれない、と。

[メイン] 誰か : けれどもそれは残酷な幻想だ。
月日は流れ、環境が変わっていこうと…

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「友達と喧嘩したんですけど、同じクラスの友達で…子供っぽい、だとか馬鹿にされたんです」

[メイン] 誰か : ・・・・・・・・・・
自分は変わらないのだ。

[メイン] メリーさん : 「正論ティーなの」

[メイン] 誰か : 自ら、変えていかなければ。

[メイン] 誰か : 「…そう…ね、否定はしないわ」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「登校したなら顔を合わせなきゃいけないし…1日、2日、3日…と面倒で休んでいるまにずるずると」

[メイン] 誰か : 「ちょっと子供っぽいのは事実だもの…
でも、それが私があなたを嫌う理由にはならないわ」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「う…貴女にもあなたにも言われますか…」
予想外だったのか、ショックを受けている。

[メイン] メリーさん : 「でも私と口論する余裕があるんだからお友達とも殴り合えばいいんじゃないの?」

[メイン] 八雲紫 : 引っ込みつかなくなっちゃったわけね

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「殴っ……はー、喧嘩になったのも口論が原因ですからね…」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「…ええ、そうです
引っ込みがつかなくなったんです」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「変えたいと思って…何か変わると期待して、こういう店に入ったら変わると思ってたんですが」

[メイン] 誰か : 「…だけど、子供っぽいのも、私は好きよ?」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「ま、紅茶飲んだくらいで変わりませんね」
言い切ると、冷めたジャム入り紅茶を飲む。

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「…そうですか?」

[メイン] 誰か : 「下手に大人ぶってる子より素直だもの。
それに、私みたいな歳になると…ちょっとしたノスタルジィすら感じるわ」

[メイン] 誰か : 「昔の私はどうだったのか、とか。
そういう事を思い出しちゃう」

[メイン] メリーさん : 「若く見えるわりには老けた思考なの」

[メイン] 誰か : 「…私もね?一度、そういう喧嘩をしたことがあるわ」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「…貴女でも?」

[メイン] 誰か : 「ちょっと周りより頭が良くって。
テストの点数がどうのこうの、みたいなくだらないこと。」

[メイン] 誰か : 「だけどあの時は本当にひどい喧嘩になったわ」

[メイン] 八雲紫 : ・・・

[メイン] 誰か : 「取っ組み合いの大喧嘩、ぼっこぼこにされちゃったわ。
私もおんなじくらいにやり返してやったけどね」ふふ、と、過去を懐かしむように笑う。

[メイン] 誰か : 「おじいちゃんにもこっぴどく叱られて…
………ああ、思い返すと恥ずかしくなってきた…」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「…………」
しっかりとした姿勢で話を無言で聞いている。

[メイン] 八雲紫 : ・・・貴方の人生にとやかく言うつもりもないけど

[メイン] 八雲紫 : 友達なら、仲直りしたほうが良いわ

[メイン] メリーさん : 「今のお姉さん見てるとすっげえ意外なの
 すごく完璧で…最初からそう言う風に生まれてきてるように見えるもの」

[メイン] 誰か : 「ごほん。…もとい、そんな酷い大喧嘩になっちゃった後…
顔を突き合わせて、きちんと向かい合う機会ができたのよ」

[メイン] 八雲紫 : でないと・・・絶対後悔するもの

[メイン] 八雲紫 : 一瞬だけ目が本気になる

[メイン] 誰か : 「私からだったか、向こうからだったか…
どっちが先か、忘れちゃったけど…」

[メイン] 誰か : 「ちゃんと、”ごめんなさい”って謝れたの。
”いいよ”って返事が帰ってきて…それで終わり。」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「っ!……そう、ですか…」
その目に気圧されるが、それは彼女の本心から来ているからだろうと理解した。

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「…軽いですね」

[メイン] 誰か : 「大喧嘩になって、結構酷い怪我もしちゃったけど…
その一言で、終わるくらいには軽かったのよ」

[メイン] 誰か : 「だから。きっと…取り返しはつくわ」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「…………」

[メイン] 誰か : 「時間は残酷よ」

[メイン] 誰か : 「気づかぬうちに、ものすごい速さで過ぎ去って…
もう、二度と戻れなくなってしまう」

[メイン] 誰か : 「時間に流されて、どうしようもなくなった後悔は…
私にも、あるわ」

[メイン] 誰か : 「だけど貴女は。きっとまだ間に合うはず。
……なんて、ちょっと押し付けがましかったかしら」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「……今はあえなくなった、友達がいました」

[メイン] メリーさん : 「ありがてえ言葉なの~」
うんうんと頷いてはいるが内容は半分耳から抜けている

[メイン] 誰か : 「……」真摯にきりたんの目を見据え。静かに、話を聞く。

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「喧嘩別れでもなく、ふといなくなってしまったんです。
たんちゃんって友達です。」

[メイン] 誰か : 「……ふと、居なくなってしまった友だち…」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「今も探しているんですが…見つかっていません。
ずっと、心のパーツが少し欠けているような気持ちです。」

[メイン] 誰か : 「……」瞳から、一筋の涙が流れ落ちる。
彼女はそれに気づいていない。

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「後ろの大きいきりたん砲もたんちゃんの形見ですし…」
振り返り、きりたん砲を見た後向き直る。

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「…あれ、泣いているんですか?」

[メイン] 誰か : 「え?」

[メイン] 誰か : 「…そう…みたいね。
どうして、かしら…」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「目から…涙が」

[メイン] 誰か : 言われて目をこすり、自分が泣いていることに気づく。
驚愕と淋しさが胸の奥を這いずり回る。

[メイン] 八雲紫 : 大丈夫?

[メイン] 誰か : 「今の話で…私が泣く必要なんて、ないはずなのに…」

[メイン] 八雲紫 : そういってハンカチを渡す

[メイン] メリーさん : 「泣く必要とかよくわかんないの
 泣きたいなら泣いとけばいいと思うの」

[メイン] 誰か : 「…感情移入、しすぎちゃったかしら?」金髪の彼女から、ハンカチを受け取り、そっと涙を拭う。わざとらしく笑顔を作り、そうきりたんに返す。

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「ええっと…ハンカチハンカチ」
慌ててハンカチを探すが、無論きりたんの持ち合わせが良いわけがない。

[メイン] 誰か : 「…もう大丈夫。ありがとう」

[メイン] メリーさん : 「二枚もハンカチ要らないと思うの…」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「あ、そうですか……」

[メイン] 誰か : 「あなたも、ありがとう。
…汚しちゃったわね、ハンカチ。」

[メイン] 八雲紫 : いいのよそんなこと

[メイン] 誰か : 「今日はハンカチ、忘れちゃってて…本当に助かったわ」

[メイン] 誰か : …その時。彼女が、何かを落とす。

[メイン] 誰か : それはハンカチだ。

[メイン] 誰か : 紫のものではない。
ちょっぴり上品なデザインの、白いハンカチ。

[メイン] メリーさん : 「なんだ、ハンカチ持ってるじゃないの」

[メイン] 誰か : 「あ、ら…?」

[メイン] メリーさん : 「ていうか落としたの」
ハンカチを拾い上げる

[メイン] メリーさん : 「お姉さんのものだよね?」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「………」

[メイン] 誰か : 「入れたままにしてたのかしら…?」と。ハンカチを、受け取ろうとして。

[メイン] 誰か : 一瞬、強烈な既視感が私を襲う。

[メイン] 誰か : 前にも一度、顔を汚してしまった時。
こんな風に、ハンカチを渡されたような。

[メイン] 誰か : きらり、と輝く金髪が、脳裏をよぎる。

[メイン] 誰か : そうだ。私はこのハンカチを、誰かに…?

[メイン] メリーさん : またぼーっとしてるなあこの人…

[メイン] 誰か : 心がざわつく。
一度は止まったはずの涙が、溢れる。

[メイン] 誰か : ぽたり、ぽたり、と。
涙が床に溢れて、ちいさな水滴を作っていく。

[メイン] メリーさん : この人結構やべーんじゃないの…?

[メイン] 誰か : 「…あれ…なんでかしら…本当に…ごめんなさい…」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「…また、泣いてますよ…」

[メイン] 誰か : 「何故か…何故か、懐かしくて……
懐かしいのに、なぜだか、寂しくて…」

[メイン] 誰か : 「ごめんなさい…おかしいわよね…」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 彼女はなぜ泣いたのだろうか。
たんちゃんの話…というよりはいなくなった友達に反応していた。

[メイン] 八雲紫 : そうね・・・私もおかしいわ・・・

[メイン] 誰か : 「私に。いなくなった友だちなんて、いないのに…
相談してるのは、貴女なのに…」

[メイン] メリーさん : 「ええと…とりあえずお姉さんのハンカチで拭けばいいと思うの…」
うんあなたはおかしいと思うの

[メイン] 八雲紫 : 涙をほろりと流す

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : …推理モノの主人公にでもなった気分で彼女の心理を考える…それこそSFなら昔会った友達、しかし忘れている…だとか。

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : が。わからない。
考えを放棄する。
「…って、金髪の方も泣いてますよ!?」

[メイン] 誰か : そう、震える唇で、跡切れ跡切れに言葉を紡ぐ。
そうしている間にも、涙は途切れることなく続いていて。

[メイン] メリーさん : 「……」
どいつもこいつも情緒不安定すぎるの…

[メイン] 誰か : 「………………メリー?」

[メイン] 誰か : って。

[メイン] 誰か : 誰?

[メイン] メリーさん : 「え、呼んだの? でもどうせなら親しみを込めてメリーさんと呼んでほしいの」

[メイン] 八雲紫 : ごめんなさい・・・大人になるとなにかと涙もろくなっちゃうわね・・・

[メイン] 誰か : 涙を流す彼女を見て、誰かの名前が口から流れ出す。
やり場のない思いが胸を満たす。どこに吐き出すべきかもわからない思いが。

[メイン] 誰か : 「……そうね…
まだ、大学生なのに…」

[メイン] 誰か : 「私も…随分、大人になっちゃったわね…」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「そういう、ものなのでしょうか…」
生意気な彼女は何処に行ったのか。
ただ二人を心配している。

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「大人…大人ですか」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : その様子を見るに、彼女たちが言っていた進み過ぎる事を推奨しない、ということ。
その理由が少しわかったような──

[メイン] 誰か : 自分のものでない白いハンカチで、溢れ出る涙を拭う。
拭っても拭っても、涙は溢れ出て止まることを知らない。

[メイン] メリーさん : ……コワ~

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「……柄でもない…」

[メイン] 誰か : 「………ごめん、なさい。
友だちの話、だったわよね…」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「ええ!そうですよ!
東北きりたんがこんなことで浸ってどうするんです!」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「そうです!」

[メイン] 誰か : 「…その元気さ、羨ましいわね。
私も、少女時代に戻りたくなっちゃうわ」口を歪め、弱々しく笑う。

[メイン] メリーさん : 「お姉さんで少女に戻りたいなんて言ったらそこの金髪の人は……←意味深に無言」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「…湿っぽいですが!
私は貴女の友達のことも、あなた達の関係の知りませんし、何があったかも聞きませんよ!」

[メイン] 誰か : 「…ありがとう」
何も聞かないこと、知ろうともしないこと。パーソナルスペースを守ることが、彼女の最大限の配慮なのだろう。

[メイン] 誰か : それは先程、子供っぽく騒いでいた彼女には、どこか似つかわしくないもので。

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「ですが…お姉さんも元気出してください!
貴女からアドバイスを貰ったんです、そのお返しに私の無駄で空回りするような元気を差し上げます!」

[メイン] 誰か : だからこそ。その配慮が、彼女が送る最大限のものだということが、分かって。

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「大人になればその元気がない?
いいじゃないですか、大人でもはしゃいだって!」

[メイン] メリーさん : 「そうなのそうなの」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「私から言わせれば変にカッコつけてるんですよ!
私は小学生の子供だから無遠慮に言いますとも!」

[メイン] 八雲紫 : ・・・ふふっ、ありがとね

[メイン] 誰か : 「…カッコつけてないと、やっていけないもの。…それでも。」

[メイン] 誰か : 「ちょっとだけ…昔みたいな気分になったわ」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 彼女の持論を熱弁する。
筋道が通ってるかは関係ない。
自分にアドバイスをくれた、金髪の方や…誰か。
彼女なりの、アドバイスなのだろう。

[メイン] メリーさん : 「元からカッコいいんだからカッコつけなくてもカッコいいと思うの」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「そうですそうです!
私やずん姉さまほどではないですが、貴女も綺麗でカッコいいんですから!」

[メイン] 誰か : 「…そう、見える?」

[メイン] 八雲紫 : 見えるわよ

[メイン] 八雲紫 : 貴方、素敵よ

[メイン] 誰か : 「……」

[メイン] メリーさん : 「ということで総意なの 1:3でカッコいいの」

[メイン] メリーさん : 「…店員さん! このお姉さんはカッコよく見える?」

[メイン] 誰か : 「不思議ね。貴女に言われると…
なんというか。ちょっと。変な気分」

[メイン] 八雲紫 : そう?

[メイン] 誰か : それは例えるならば、少し”ズレた”感覚だ。

[メイン] 誰か : 純粋な褒め言葉としてのそれではなく…
仲睦まじい者同士が、からかい合うために使う言葉を聞いたときのような。

[メイン] ナレーション : 小さな店員は、話に聞き入るようにカウンターから眺めていた

[メイン] 誰か : 沢山の親愛と、ほんのちょっぴりのユーモアを込めた、そんな感覚。

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「ああほら!そうやって悦に浸る!」

[メイン] 誰か : 「……別に悦に浸ってるわけじゃないわよ!?」

[メイン] 八雲紫 : いいじゃない悦に浸っても

[メイン] 八雲紫 : ここはカフェなんだから

[メイン] 誰か : 「それだとまるで私がナルシストかなにかみたいじゃない……!
っ、て…!」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「…そうでした、すみません…」

[メイン] 誰か : 「…………ご、ごほん。」

[メイン] 八雲紫 : ・・・あら赤くなってる?

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「うう………」
指摘され、顔を赤くする。

[メイン] 八雲紫 : 少し笑みを浮かべながらそういう

[メイン] 誰か : 年甲斐もなく声を荒げてしまったことに、少し恥ずかしさを感じる。

[メイン] 誰か : でも、同時に。

[メイン] 誰か : ちょっとした爽快感というべき感情も感じて…

[メイン] 誰か : (これが子供の気持ちになってはしゃぐ、って事なのかしら…)

[メイン] メリーさん : 「そういえばもう紅茶冷めてるんじゃないの…?」

[メイン] 誰か : 「……あっ」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「…あ」

[メイン] 八雲紫 : あら

[メイン] ナレーション : 紅茶が冷めていることに気づいた皆の様子でびくりと跳ねた店員が足音立てて近づく

[メイン] ピエネ : 「すいませんお客様、こちら淹れ直しますね」

[メイン] 八雲紫 : ・・・いや

[メイン] 誰か : やってしまった……
できるだけ食べ物は無駄にしたくないのに…

[メイン] 八雲紫 : 折角だから氷を貰おうかしら?

[メイン] ピエネ : 「…?」

[メイン] メリーさん : 「長話したのはこっちなのに悪いの」

[メイン] 誰か : いや、厳密には飲み物だが。

[メイン] ピエネ : 「わかりました、では少々お待ちくださいね」

[メイン] 八雲紫 : 冷めてるなら冷やして飲もうと思って

[メイン] 誰か : 「……私も、このままでいいわ」

[メイン] 誰か : 冷めた紅茶をそっと飲む。
蜂蜜の甘さと共に、ちょっと渋い感じがした。

[メイン] ナレーション : 店員がカウンターに戻って行った

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「…………」
紅茶はすっかり冷めきった。
ジャムが溶けた紅茶は1/3ほど残っている。

[メイン] メリーさん : まずい…はちみつがカップの底で固まっている…

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「友達との仲直り、でしたよね」

[メイン] 誰か : その渋さを、静かに堪能する。
正しい飲み方ではないだろうが、これはこれだろう。

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「早く、カタをつけろって」

[メイン] 誰か : 「…そう、その話ね」

[メイン] 誰か : 「脱線しすぎちゃったわ」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「…………」

[メイン] ナレーション : 店員が小さな容器片手に戻ってきた

[メイン] メリーさん : 固形化したはちみつをぐにぐにと歯で弄ぶ
紅茶の風味はよく分からない…

[メイン] ピエネ : 「…ではこちら、アイスに淹れ直しますね」

[メイン] ピエネ : 「少々お待ち下さい」

[メイン] 八雲紫 : あら色々気が利くのねありがとう

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 残った紅茶を、今までの過去と別れる、決意のような。
そんな心地で、一気に飲み干す。

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「……美味しいです」

[メイン] ナレーション : こぽり、ぱちり、氷が揺れて紅茶は冷える…アイスに淹れ直された

[メイン] 誰か : 「……立ち止まることも大事、って私は言ったけれど。
同時に、こうも思うの」

[メイン] ピエネ : 「…引き続き、談笑お楽しみください
何か御用があればお呼びください」

[メイン] ナレーション : 店員は頭を下げてカウンターに消えていった

[メイン] 八雲紫 : わかったわありがと

[メイン] 誰か : 話の合間に、小さく店員に会釈した。

[メイン] メリーさん : ずずーっと流し込んで横目で見送る

[メイン] 誰か : そして目線を再びきりたんに向け直し。
瞳を覗き、まっすぐと見据える。

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : その瞳と、向き合う。

[メイン] 誰か : 「時間の流れは、とても残酷だから。
進まなければならない時も、きっとあるって」

[メイン] 誰か : 「立ち止まって見るのも良いって言ったり、進めって言ったり。
なんだか、自分でも意見が二転三転しちゃうけれど」

[メイン] 誰か : 「ずっと止まっていてもいけないし、
ずっと進み続けていてもいけない。」

[メイン] メリーさん : 紅茶を片手に人の人生相談を眺める…なんか優雅なの…

[メイン] 誰か : 「…きっと、人生っていうのは…そうなんだと思うわ。」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「そう、でしょうね
知っています──」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「…?あれ、今なんて?」

[メイン] 誰か : 「…あら?」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : そうだ、私は…
急かされて、大金を背負わされて。
その重みに耐えかねて。

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : …今も聞こえる。
金を払ったのだ、その分の働きを期待されているのだ。

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 100は出来て当然で、200を期待されている。

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : そうして、一度…首を…

[メイン] 誰か : 「………」

[メイン] メリーさん : 皆やたら意識飛ばすけど…この店の紅茶ヤバいものでも入ってるの…?

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「……………」

[メイン] 誰か : 「大丈夫?」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「人生というのは…知っています
苛酷なものです。」

[メイン] 八雲紫 : どうしても・・・考え込んでしまうわね

[メイン] 誰か : 「ひどい顔色だけど…
やっぱり、言葉で言っても、難しいわよね」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「顔色が悪いですか?」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「まるで死人でしょうか?」

[メイン] 誰か : 「…………」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 違う、そうじゃない…

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「………」

[メイン] 誰か : 「紅茶を。飲みましょう?」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「…そう、ですね」

[メイン] 八雲紫 : 気を紛らわすようにアイスティーを一気に飲む

[メイン] メリーさん : グビッ!

[メイン] 誰か : 綺麗な顔に見えた違和感、その原因にようやく気づく。

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「店員さん…お代わりをお願いできますか。」

[メイン] 誰か : 肌が。…白いのだ。

[メイン] 誰か :      ・・・・・・
それこそ…人並み外れて。

[メイン] ピエネ : 「…承りました、トッピングなどは?」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「……ハチミツ入りでお願いします」

[メイン] メリーさん : 「アイスクリーム乗っけて」

[メイン] 誰か : 知っている。私は、そういった存在を見たことがあるから。
知っている。知っている。知っている?

[メイン] 八雲紫 : 私もさっきと同じでお願いするわ

[メイン] 誰か : どこで知った?

[メイン] ピエネ : 「アイスクリームは単品ですね、蜂蜜トッピング一つ、少々お待ちください」

[メイン] 誰か : 誰かと共に。

[メイン] 誰か : 誰と?

[メイン] 誰か : 誰?

[メイン] ナレーション : 思考が巡り、話も巡る中、店員がいつのまにかおかわりを注ぎ終えている

[メイン] 誰か : ………きっと。ここに居る者は、皆欠落を抱えているのだろう。

[メイン] ナレーション : メリーの前には小さなミントの乗ったアイスが置かれている

[メイン] メリーさん : choice バニラ チョコチップ チョコミント (choice バニラ チョコチップ チョコミント) > チョコミント

[メイン] 誰か : それはちょっとした些細なものから。
彼女のように、存在を揺るがすようなものまで。

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 今も聞こえる。
期待の声が。
今も聞こえる。
羨望の声が。
今も聞こえる。
罵倒の声が。
今も聞こえる。
哀れみの声が。

[メイン] 八雲紫 : カフェのアイスってなんかおいしそうよね、見てたら私も食べたくなったわ

[メイン] 誰か : 「……今は、私達しかいないわ」

[メイン] メリーさん : さくりと、小さなスプーンで青色の山を崩す――

[メイン] 八雲紫 : 私はバニラでお願いするわ

[メイン] 誰か : 「穏やかで、静かな休憩を。
紅茶と一緒に、楽しみましょう」

[メイン] 八雲紫 : そうね

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「…小学生ですよ。
そんな大層なこと、できるわけ──」
うわごとのように。

[メイン] メリーさん : 窓から差し込む淡い光を受けて、細かな氷片がきらりきらりと

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「…すみません…」

[メイン] 誰か : 「………今だけは。大丈夫だから」
そっと、きりたんの瞳を見据え。

[メイン] 誰か : 席を立つ。
その小さな体躯を、優しく抱きとめる。

[メイン] メリーさん : 口に運び、舌に乗せると体温で溶けて崩れる。そうして広がるさわやかで甘ったるいあの味

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「人が見えるんです。
こちらを見つめてくる人、が。
様々な感情を目に添えて…」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「………!」

[メイン] メリーさん : Oh これはアイスなのか それとも歯磨き粉なのか

[メイン] 誰か : 「…そう」

[メイン] 誰か : 「私の目も、普通じゃないわ」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 抱きしめられた、彼女の暖かさで。
目から、涙が。

[メイン] メリーさん : 喉の奥からミントのフレーバーが押し返してくる前に、紅茶で蓋をするように流し込むのだ

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「……う、うう……」

[メイン] 誰か : 「…月と星から時間が分かる、なんてヘンテコな目だけれど。
あなたに比べれば、些細なものだけど」

[メイン] 誰か : ほんの少し、周りとズレているという意味では。
きっと、同じなのだ、と信じたい。

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : とどめていた何かが、溢れる──

[メイン] メリーさん : 茶葉とミントの香りが抜けて心地よい――

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「そう、ですね
一緒です……」

[メイン] 誰か : (…そっか)

[メイン] 誰か : (この子がどこか、昔の私と同じに見えたのは)

[メイン] 八雲紫 : ほんの少し不機嫌な顔になる

[メイン] 誰か : (この子も…私と同じように。)

[メイン] 誰か :  ・・・・・・・・・・・・・・
(周りと同じ世界を共有できない存在だったから)

[メイン] 誰か : (同じものを見ていても。
見えるものが、どこか周りとはズレてしまう。)

[メイン] 誰か : (…そんな、同類だったから…なのかもしれないわね)

[メイン] 誰か : そう、同類。

[メイン] 誰か : 孤独だった私の前に現れた、彼女のように。

[メイン] 誰か : ■■■のように。

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「嘘を…ついていました」
決壊した、心が駄々洩れになる。

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「不登校なのは、友達との喧嘩でもないです」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「人が多い所だと、声が、人が、よく、見えるんです」

[メイン] 誰か : 「………」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「そして、私の体は死人です
熱い場所で、1日も過ごせば腐りきってしまいます」

[メイン] 誰か : 「………」驚きは、しない。

[メイン] 誰か : 薄々わかっていたことだ。
だけれども、私は彼女を拒絶しない。

[メイン] 八雲紫 : ・・・

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「こんな体で、どうやって過ごせばいいんですか?
毎日問うていました。
そして、今日、もう、あきらめよう。
最後に、いい記憶を作ろうと」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「──ここに、来ました」

[メイン] メリーさん : 話を流しつつ…
表面が、僅かに溶けたアイス…沈むような感触を楽しんでスプーンを差し込む…

[メイン] 東北きりたん(妙楽) :  ・・・・
「もう一度この世を離れれば、ずん姉さまやたんちゃん、イタコ姉さまにも会えません」

[メイン] 誰か : 諦観と絶望、孤独と自己嫌悪。

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「でももういいかなって…そう思いながら、入ったんです」

[メイン] 誰か : どうすることもできないという諦観。

[メイン] 八雲紫 : ・・・私たちは貴方の思い出になれたかしら?

[メイン] 誰か : 救いなど訪れないという絶望。

[メイン] 誰か : 理解者など、どこにもいないという孤独。

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「………ええ、はい。」

[メイン] 誰か : なぜこんな存在になってしまったのか、と。

[メイン] 誰か : 自分を憎む…自己嫌悪。

[メイン] 誰か : 同じだ。

[メイン] 誰か : 私と。

[メイン] 八雲紫 : そう・・・それなら良かったわ

[メイン] 誰か : ならば。

[メイン] 誰か : 「…いいえ、思い出にはさせないわ」

[メイン] 誰か : 「自分一人ではどうしようもなくて、決して救われないと思っていても」

[メイン] 誰か : 「誰とも分かりあえないと感じていても。自分が、嫌でどうしようもなかったとしても」

[メイン] 誰か : 「それでも……2人で観る世界は、きっと」

[メイン] 誰か : 「1人とは違うから」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「…………」

[メイン] 誰か : 「きりたんちゃん…で、いい?」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「…はい」

[メイン] 誰か :      ・・・・・
「貴女を。秘封倶楽部に…勧誘するわ」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「そ、れは…?」

[メイン] メリーさん : 話は読めないがかくりかくりとなんとなく頷いている

[メイン] 誰か : 「私一人でやってるサークルなんだけどね。
霊能サークル…の割には、よくある降霊術なんかはやってないけど」

[メイン] 誰か : 「一人でなら暗いだけの世界も、二人ならきっと違う景色が見えるはず」

[メイン] 誰か : 「…そろそろ新規メンバー、欲しかったしね。」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「………いいんですか、こんな私で
生意気で死人で幻覚が見える、小学生ですよ」

[メイン] 誰か : 「生意気で死人で幻覚が見える小学生、上等よ。
秘封倶楽部はあなたのような子こそを歓迎するわ」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 歓迎。

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : この世のどこにも、自分を受け入れる場所なんて…ないと思っていた。
死人は死人らしく、地獄なり天国なり行くべきだと。

[メイン] 誰か : …彼女は、この申し出を受けてくれるだろうか。

[メイン] メリーさん : 「まあ…霊能サークルならむしろちょっとくらいおかしい方がよさそうなの」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「……よろしく、お願いします」

[メイン] 誰か : 孤独だった私に手を差し伸べてくれた■■■のように。
今度は私が、手を差し伸べる側になれたら、と…

[メイン] 誰か : そんな不安は、すぐに氷解する。

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 諦観しかない。
絶望しかない。
孤独しかない。
この先に待つのは、救いのない未来。
そう、思っていた────

[メイン] 誰か : 私は、かすかに涙の痕が残る顔で。
それでも、笑顔を浮かべ、言ったのだ。

[メイン] 誰か : 「ええ。…ようこそ、秘封倶楽部へ!」

[メイン] ナレーション : 小さな祝福か、はたまた見落としていたか…貴女達の机には薔薇が一輪飾られている

[メイン] 八雲紫 : ・・・おめでとう

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : その笑顔に、釣られ、私も笑顔になる。

[メイン] 八雲紫 : 気付けば私も笑顔で・・・泣いている

[メイン] メリーさん : 「話がまとまったみたいでめでてえの~」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「………10年後。
私にはまだまだ先の話ですが。」

[メイン] 誰か : 「…それでも。
あなたが思ってるよりは早いかもしれないわ」ふふん、とちょっと悪戯げな笑みを浮かべて。

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「貴女みたいな、人になりたいという…夢ができました」
夢を語る子供の、いっぱいの笑顔でそう言う。

[メイン] 誰か : 「楽しいことは早く過ぎる、とはよく言うものでしょう?」

[メイン] 誰か : 「あら、そんな夢を持ってもらえるのは…
………ちょっとこそばゆいわね…」

[メイン] ナレーション : 気づけば…空になったティーカップと、その代わりに漂う甘い薔薇の香り

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「そうかもしれませんね──
きっと貴女と一緒となら、あっという間に時間が過ぎていくと思います。」

[メイン] 誰か : …熱いストーブの上に手を1分間押し付けるのは、
可愛い女の子と過ごす1時間と同じ様な長さだ、とかの天才は言う。

[メイン] 誰か : 彼女はこれまで、ずっとストーブに手を押し付けていたのだろうか。

[メイン] 誰か : ならば私は…
"可愛い女の子"になりたい、と思う。

[メイン] 誰か : ………よく言われる言葉が「胸のついたイケメン」なのだが……。

[メイン] 誰か : そこはまあ、お愛嬌だ。
きっと。

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 今日、あこがれの人が増えた。

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : ずん姉さまはもちろん、元からだ。

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : そしてもう一人。
名も知らない。
けれど──私を歓迎してくれた、あの人。

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 死人でも夢は持てる。
苦しい、地獄のような毎日に。
少しだけ、しかし力強い光が、差し込んだ心地だった。

[メイン] ナレーション : 先程まで静寂の佇む喫茶店の中に、柔らかな風が吹く

[メイン] ナレーション : どこからか、薔薇の花びらが舞って、四人の座る机を中心に踊るように巡る

[メイン] メリーさん : 「薔薇もお二方の門出を祝福してるようなの」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「………すみません、お名前を聞いていませんでした」

[メイン] ナレーション : 薔薇の先、店員は手を振る

[メイン] 八雲紫 : 私は会計を先に済ませる

[メイン] ナレーション : 門出を祝うのか、はたまた別れか

[メイン] 誰か : 「…そう、ね。」

[メイン] 八雲紫 : じゃあね、久しぶりに楽しかったわ

[メイン] 誰か : 「そう言えば、名乗ってなかったわ」

[メイン] 八雲紫 : 「蓮子」

[メイン] ナレーション : 香りに包まれて、席を立つことも叶わない

[メイン] 誰か : 「………!」

[メイン] ナレーション : 動くとすれば、口と手だけだろうか

[メイン] 誰か : 「待って、貴女…」

[メイン] ナレーション :

[メイン] 誰か : 「もしかして…!」
手を伸ばす。届かないと、分かっていても。

[メイン] 八雲紫 : そういうと私は・・・何かに入って消えてしまう

[メイン] ナレーション : …花びらが揺れる、揺れる

[メイン] ナレーション : そうして、残された三人は

[メイン] ナレーション : 甘い眠気に誘われて、暗闇に落ちていく

[メイン] 誰か : 「……一人で逃げるなんて許さないんだから、メリー」

[メイン] メリーさん : あれスキマじゃないの…?
ってことはあいつ…噂に聞くスキマ妖怪…

[メイン] 誰か : 暗闇に落ちていく前に。

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「……蓮子さん」

[メイン] 誰か : 私は最後の言葉を紡ぐ。

[メイン] 誰か : 思い出したその名を、決して忘れないために。

[メイン] 誰か : メリー。メリー。マエリベリー・ハーン。

[メイン] 誰か : どこまでだって追いかけて、もう一度名前を呼ばせてやる。

[メイン] 八雲紫 : ・・・

[メイン] 誰か : 一人じゃなく。可愛い後輩と、一緒に。

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 無言で。
蓮子の手を、両手で、握る。

[メイン] 誰か : …手を、そっと、しかし、強く。
握り返した。

[メイン] ナレーション :

[メイン] ナレーション : そうして、誰も知らぬ喫茶でのひと時は闇に溶けていく

[メイン] ナレーション : 目が覚めたとき、そこに誰がいるかは…

[メイン] ナレーション : 最早語る意味も無いかもしれない

[メイン] ナレーション : 薔薇の香りとともに貴女達は目覚める、それぞれのいた場所か、あるいは隣で

[メイン] ナレーション :

[メイン] ナレーション : ここは、どこか…街の中

[メイン] 蓮子 : …薔薇の香りの夢から覚め、町を、放浪する。

[メイン] 蓮子 : なくしたものを探すために…
そして。

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 匂いは自分の腐臭しかしなかった。
今までは。

[メイン] 蓮子 : 迎えた後輩を、探すために。

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 今は、町の匂い。
そして──薔薇の匂いに導かれ。

[メイン] 蓮子 : …目の前に、彼女は。いた。

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 憧れのあの人と、再開した。

[メイン] 蓮子 : 「…」

[メイン] 宇佐見蓮子 : 「宇佐見蓮子」

[メイン] 東北きりたん(妙楽) : 「………!」

[メイン] 宇佐見蓮子 : 「言えなかった…私の、フルネームよ」

[メイン] 宇佐見蓮子 : 「気軽に蓮子、でもいいわ。
……見つけられて、よかった」

[メイン] 東北きりたん : 「よろしくおねがいします、宇佐見蓮子さん。」

[メイン] 宇佐見蓮子 : 「ええ────」

[メイン] 宇佐見蓮子 : 「今後とも、よろしくお願いするわ!」

[メイン] 宇佐見蓮子 : 片手に彼女の手を握る。

[メイン] 東北きりたん : 蓮子の声に、煩わしい声は聞こえない。
攻める声も、期待する声もかぶさらない。
視界だけには、彼女だけだ。

[メイン] 宇佐見蓮子 : 彼女の姿を、確かに見据える。

[メイン] 東北きりたん : 呪いから解かれたのだ、とも思いながら。
その手を少女の力で精いっぱい、握り返した。

[メイン] 宇佐見蓮子 : さあ、今一度、幕を開けよう。
わたしたちの物語を。

[メイン] 宇佐見蓮子 : 消えてしまった一人と、残された一人と、加わった一人で。

[メイン] 宇佐見蓮子 : …いいえ。

[メイン] 宇佐見蓮子 : ・・・
三人で。

[メイン] 東北きりたん : 彼女の行く先に──私も行きたいのだ、と

[メイン] 東北きりたん : 「また──他の人にも会えますかね」

[メイン] 宇佐見蓮子 : 「会いに行くのよ──きっと!」

[メイン] スマホ : プルルルルルルルル

[メイン] メリーさん : 私メリーさん…今駅前にいるの…

[メイン] 宇佐見蓮子 : …なるほど。

[メイン] 東北きりたん : 「………ええ!?」

[メイン] 宇佐見蓮子 : 「さあ。」

[メイン] 宇佐見蓮子 : 「駅前に集合よ!」

[メイン] 東北きりたん : 案外早い再開だな、と苦笑しつつも…

[メイン] 東北きりたん : 「ええ、先輩!」

[メイン] 宇佐見蓮子 : ──こうして私達は走り出す。

[メイン] 宇佐見蓮子 : これで、この物語は終わり。

[メイン] 宇佐見蓮子 : だけど。

[メイン] 宇佐見蓮子 : それは、私達が終わる、というわけではない。

[メイン] 宇佐見蓮子 : だって。

[メイン] 宇佐見蓮子 : ──未来は、きっと、まだ。
どこにも記されていないのだから。

[メイン] 東北きりたん : 未来。
今まで、重くのしかかってきた言葉だった。
でも今はその言葉が、とても良い言葉に聞こえて。

[メイン] 東北きりたん : 私は未来に期待したのだった。

[メイン] ナレーション : …かくして、薔薇のひとときは微かな匂いと共に消えていく

[メイン] ナレーション : 各々に、何かを確かに残して、消えていく

[メイン] ナレーション : ーENDー

[メイン] メリーさん : 宴だァ~~~~~~~~

[メイン] 宇佐見蓮子 : 宴ね!

[メイン] 東北きりたん : 宴ですね

[メイン] 八雲紫 : 宴だァ~~~~~~~!!

[メイン] ナレーション : 宴だ〜!!!!!

[メイン] KP : あのね

[メイン] KP : 良すぎ

[メイン] KP : 重すぎ

[メイン] KP : 泣かすな

[メイン] KP : はい

[メイン] 宇佐見蓮子 : それじゃあ深夜遅くだし…
私は一足先に失せるわね

[メイン] KP : もう…こう…

[メイン] 宇佐見蓮子 : お疲れ様!

[メイン] 八雲紫 : お疲れシャンね

[メイン] 東北きりたん : …ありがとうございました、蓮子さん

[メイン] KP : うん…お疲れシャン!!!!!

[メイン] : お疲れシャン

[メイン] メリーさん : お疲れシャンでーす

[メイン] 宇佐見蓮子 : いいえ。
きりたんのRPも凄かったわ

[メイン] 東北きりたん : この、東北きりたんの人生を過ごせると思います

[メイン] 八雲紫 : 良かったわよ二人とも・・・

[メイン] KP : あの、私には多くは語れない、見てて全てが絡み合ってたから…

[メイン] メリーさん : 私は…寝る前に軽い気持ちで入った卓でこんなものに巻き込まれて…びっくりした

[メイン] KP : だからね、感謝させて

[メイン] KP : ありがとう、皆んな誇りよ!

[メイン] KP : このログは一生大事に抱かせてもらうわ

[メイン] 八雲紫 : そういえば今回秘匿使ってた人っているのかしら?

[メイン] KP : 貴女と誰かくらいね

[メイン] 八雲紫 : へ~!

[メイン] 東北きりたん : 一番楽しかったRPでした!!
ありがとうございました!

[メイン] KP : ねえ、お疲れシャン

[メイン] KP : 参加できなかったけど、参加できてよかったわよ